約束の期限が過ぎたにもかかわらず、取引先が品物の代金を支払って くれません。どのような対処をしたらよいでしょうか?
売買契約で買主が、期限までに代金を支払わないのですから、これは典型的な債務不履行(履行遅滞)に当たります。その為売主としては損害賠償(遅延賠償)を請求することが可能です。代金債務は、金銭債務ですから、特に契約に定めがなければ損害賠償額は法定利息によって定まることになり(遅延利息)、契約で定められた支払い期限から実際に代金が支払われたひまでの期間の遅延利息を買主に請求することができます。場合によっては、売買契約を解除することも考えられます。この場合、買主に対して相当の期間を定めて支払いを督促し、その期限までに支払いがないことは条件となります。
しかし実際の取引実務では、実情に応じて柔軟に対応すべきでしょう。第一に、遅延利息を請求しても買主が任意にその支払いに応じてくれなければ最終的に裁判に訴えてこれを実現するしかないので、その時間と手間を考える必要があります。
第二に契約を解除した場合は、現状回復が原則ですから納入した商品は取り戻すことになります。が、特注品のような場合、他への転売は困難ですから、結局損害賠償(補填賠償)によらざるを得ませんが、上記と同様の問題に加え、賠償額をめぐってさらに争いが大きくなる可能性もあります。
買主である取引先との今後の取引関係に与える影響や、取引先が代金を支払わない理由、例えば単に支払日をわすれていたのか、何か取引に不満をもっていて故意に支払いを引きのばそうとしているのか、あるいは倒産寸前で支払いが滞っているのかも十分に考慮して対処する必要があるでしょう。
「債務不履行」
債務者がその債務の本旨に従った履行を為さないことをいいます。これには三つの類型があります。
「履行遅滞」
履行期において履行が可能であるにもかかわらず、債務者が履行期を過ぎても債務を履行しない場合
「履行不能」
債権が成立したときには履行が可能であったものの、その後履行が、不能になった場合。
「不完全履行」
一応履行は為されたものの、それが不完全である場合。


